ドローン
風外乱のある地下環境下におけるマルチコプタの飛行制御システムの開発(2019)
近年,人の入りづらいような場所での点検作業にドローンが用いられています.本研究では,風外乱のある地下での設備点検にドローンを用いることを想定しています.しかし,地下ではドローンがGPSの信号を受信できないことと,強く不規則な風外乱により位置を保てないことが問題となります.
本研究では,風外乱のある非GPS環境下でも,ドローンが位置を保てる飛行制御システムを開発することを目的としています.2019年度には,外乱補償器を適用するための新たな飛行制御システムを構築し,外乱補償器を開発しました.シミュレーションによる評価では,8 m/sの風外乱がある環境でも最大0.4mの位置誤差に抑える事を確認しました.
非GPS環境下におけるマルチコプタの姿勢安定化制御の開発(2020)
近年マルチコプタは様々な分野に使用されており屋内環境での需要も高まってきております. しかし, 屋内環境では, GPSを使用することができないため, GPSにかわる自己位置推定手法が必要となるという問題があります. 本研究は, マルチコプタの使用環境として室内を想定し, IMUによる位置・姿勢推定フィルタの開発と自律制御の開発を目的としました.
2019年度に飛行制御システムが開発されているため, 2020年度は, 飛行制御システムを実機に実装することで実機を用いて姿勢制御の確認を行い, 実機によるホバリングを目標としました.
完全に独自の制御系を実装し,実機を用いて位置/姿勢推定精度の向上を確認しました. そして, 実機を飛行させることで姿勢制御の確認を行い, 実機を用いて姿勢制御を確認しました.
人との協調を行うマルチコプタの制御系実装・シミュレータによる検証(2021)
近年,マルチコプタの利用が進むにつれてドローンを他のデジタル技術とともに活用して社会問題の発見や解決につなげる,ドローン前提社会という考えが広まっています.ドローン前提社会の考え方が広まるにつれて人-ドローン間の協調が必要となると考えられます.そこで,本研究では,2020年度の制御系をベースとして,位置・速度・姿勢モジュールの独立した制御システムの開発・実装を目的としました.
2020年度に本制御システムの姿勢制御部分の実装が行われているため,位置・速度制御部の実装を行うために,2021年度はマルチコプタに位置情報を与える手法の検討や,シミュレータによる制御システム全体の動作確認を行いました.
今後は,位置・速度モジュールの改善を行っていくことでより安定した飛行の実現に取り組みます.