ドローン

非GNSS環境下におけるドローンの自律飛行のための環境適応型制御システムの開発(2022)

近年,ドローンの利用方法は,様々な分野に広がり,今後は,屋内環境などの非GNSS(Global Navigation Satellite System:以下GNSS)環境下での利用が考えられている.しかし,現状の技術では,自己位置推定に累積誤差や振動する誤差が生じるため,非GNSS環境下でのドローンの自律飛行は容易ではない.

 そこで,本研究のコンセプトとして,精度の高い自己位置推定を用いて精度の高い飛行を実現するのではなく,複数の機能モジュールを実装することで,飛行環境に適応する制御システムによる自律飛行を目指す.このような制御を,環境に適応する制御を行うため,環境適応型制御システムとする.環境適応型制御システムは複数の機能モジュールを実装し,制御量に重みづけ平均を用いることで制御量の融合を行う.

 この環境適応型制御システムの検証を行うために,点検を想定したシミュレーション環境による点検を行った.そして,環境適応型制御システムに複数の機能モジュールを実装し,並列に動作させることで,単一の機能モジュールでは点検のタスクを遂行することができない環境でも点検のタスクを遂行することが確認された.

 今後としては,シミュレーション環境のみではなく,実環境における環境適応型制御システムの検証が必要であると考える.